神戸・みなと銀行グループ、みなとコンサルティング社の発刊する雑誌に
弊社バングラビジネスパートナーズ代表岡崎の
バングラデシュ・テレコム市場に関する記事を掲載いただきました!
1.世界のIT市場の継続的拡大
2013年の世界のICT市場は約47兆ドルといわれます。
2003年のICT市場が約23兆ドルですので、10年で約2倍に拡大した計算になります
2.世界のエンジニアの供給不足
これに対して、世界のITの中心地アメリカのエンジニアの数は、10年で1.3倍にしか増えていません。
ちなみに、日本ではエンジニア(実際に業務をこなしている人)の数はほとんど増えていません。
3.過去10年世界のITを支えたインドの終焉
この世界のITの急拡大とエンジニア不足を世界で補ったのがインドでした。
インドのIT産業は過去10年で10倍以上の成長をしました。
しかし、人口11億人を誇るインドでも、有能なエンジニアとなると無制限には存在せず、需給逼迫によりインドのエンジニアの給与は、過去7年で2.4倍に上昇しました。
これはつまり、すでにインドは「低コストIT開発国」ではなくなってきていることを意味します。
4.次に台頭するバングラデシュ
インドが限界に達している今、世界のIT業界では次の展開が急務となっています。
そして欧米勢が気づいたのが、世界第二位のアパレル大国となった「バングラデシュ」
この国には、アジア第四位となる1億6000万人の人口がいます。
インドの隣で、その民族性が近いベンガル人は、インド・アーリア人に匹敵する水準の理系能力を持ちます。またコモンウェルズの一つでもあり英語能力も高い水準にあります。
このようなバングラデシュ人が、なんと現在インド人の半分の給与相場に据え置かれています。
5.バングラデシュのIT産業規模
すでにアメリカ、イギリスを始めとする欧米先進国はこのギャップに注目し、急速にその開発拠点をバングラデシュにシフトし始めています。
2013年のバングラデシュへの海外からのIT開発委託額は100億ドル。
2011年からの2年で2倍となりました。
アメリカ、イギリス、ドイツ等欧米列強国の他、ノルウェー、スウェーデン、オランダ、フィンランド、デンマーク等北欧IT先進国のバングラデシュシフトも鮮明になりつつあります。
6.早く取らないと取られるIT基盤
以上の通り、欧米先進国はそのIT開発を急速にバングラデシュに移してきています。
しかし、バングラデシュの優秀なエンジニア、そしてそれを管理できる優秀なプロジェクトマネージャーというのは、多くはありません。
現在は20社程度の大手IT開発会社に対し、あらゆる欧米企業が争って発注をしている状態で、大手はどこもすでにキャパシティが一杯です。
もちろん、継続的なトレーニングと採用をもってエンジニアを増やし、キャパシティを増やしていきますが、友好的なビジネス関係をもった会社との取引を優先させることは当然です。
このような機会は、早く入り込み、優良な大手IT開発会社を囲い込んで取りにいく必要があります。
7.バングラITパートナーズ
バングラデシュと日本との間のビジネス開発支援を続けてきたバングラビジネスパートナーズは、この機会を確実に日本が取り込めるよう、別途資金調達もした上で「バングラITパートナーズ」を設立しました。教育面、人材面、開発支援面、そして情報面の様々な方向から、日本企業がこの機会を取れるように支援を致します。
2015年3月26日寄稿
バングラビジネスパートナーズ 岡崎透
アジア最後の新興国・バングラデシュ
押し寄せる携帯電話・モバイル化の波
1億6000万人の携帯ユーザー向けサービスを狙え!
最後の新興国バングラデシュに押し寄せる1億6000万人モバイル化の波
バングラビジネスパートナーズの岡崎です。今回はアジア最後の巨大新興国と言われるバングラデシュの、押し寄せるモバイル化の波についてご紹介させていただきます。
バングラデシュはインドの東に位置する民主主義国家です。日本の北海道+東北の国土に日本よりも多い1億6000万人が暮らしている、世界でもっとも人口密度の高い国です。労働者階級の労働賃金がアジアで最も安く、その安さに注目した世界のアパレルメーカーが2000年過ぎからアパレル生産を始め、今では世界二位のアパレル輸出高を誇っている国です。アジア最貧国から世界二位のアパレル大国になったこの国で、新たなトレンドが出てきています。それは最貧国バングラデシュに押し寄せる、急激なモバイル化です。
1.富裕層はみんなIPHONEユーザー。
日本では現在、携帯電話におけるIPHONEのシェアは6割~7割(注1)といわれます。しかし、IPHONEはほかの韓国製・中国製に比べて値段が高く、おそらく日本人でもソフトバンク等の分割プランでなければ購入に躊躇される方も多くいると思います。日本人でも高いと感じるIPHONEですから、バングラデシュ人にとってはIPHONEなど手の届かない高級品であろうと思われると思います。
しかし、バングラデシュの富裕層の多くは、IPHONEを使っています。実は、バングラデシュにはAPPLEの直営ショップや正規代理店はなく、日本のようにお金さえ払えば国内のさまざまな場所で買えるというようなことはありません。富裕層は出張や旅行で海外に行ったときに、海外で購入するのです。つまり、IPHONEを持つということは、自分たちは海外出張や海外旅行に頻繁にいけるんだという財力の誇示であり、ステータスシンボルなわけです。今や、会社の社長のみではなく、その息子等もIPHONEを使っています。
2. 中間層もアンドロイド
バングラデシュでも社長クラスは多額の報酬を得て、海外出張・旅行にも頻繁に出かけますが、中間層は2万円から7万円程度の月収にとどまっています。
しかし、このような水準の人たちや、親から支援を受けている大学生でも、携帯電話を持っています。しかも音声機能だけのガラケーではなく、アンドロイド搭載のスマートフォンを持っています。
大学生はまだ収入を稼いでいませんが、親からのお小遣いでスマートフォンを買います。彼らはこのスマートフォンで授業の後や夜、友達同士でコミュニケーションを取っています。電話で話すだけではなく、このスマホでフェースブック、LINE、WECHAT等でコミュニケーションをとっています。また、放課後、友達同士で集まり、このスマホを使ったオンラインゲームに興じてもいます。
また、大学生だけではなく、月収1万5000円程度であるビルの管理人、会社の事務管理者、専属ドライバー等は、仕事中でも暇な時間にこのスマホでYOUTUBEをダウンロードして見ていたりします。彼らレベルでもスマートフォンは一般的になっています。
4. 最下層も低価格ガラケー、
家よりも大切な携帯電話
バングラデシュには、定職もなく、家もなく、一時的なバイトをしながら路上で暮らす人たちも多くいます。さすがに、このような人たちは携帯電話など持っているはずはないだろうと思われると思います。
しかし、彼らも携帯電話を持っています。スマートフォンではありませんが、昔のPHSのような携帯電話です。音声だけでなくメッセージもでき、かつこれで送金までできます。
彼らは、家もありませんし、ボロボロの服を着ています。おいしい食べ物も食べられません。しかしそれでも携帯電話を持っています。それはなぜか、それは携帯電話が命の次に必要なものをつないでいるからです。
バングラデシュの人たちにとって、人生で一番大切なものは「お金」「立派な家」「おいしい食べ物」ではありません。人生で一番大切なものは「家族・友人とのつながり」なのです。家のない彼らにとって、「家族・友人とのつながり」を維持するものは、唯一「携帯電話」なのです。彼らは毎日の食費を削ってでも、携帯電話を買い、通話料を払うのです。
5. 1 億6000万人の携帯関連事業を狙え!
以上、バングラデシュはアジア最後の新興国といわれながらも、すでに1億2200万回線の携帯ユーザーを持つ巨大な市場となっています。我々日本企業としては、この大きな市場を見逃すべきではありません。この国では、以下のような事業機会があると思われます。
第一に、優秀なのに安い、この国の人材を利用したスマートフォン・アプリのオフショア開発拠点として利用できます。前回お話したとおり、基本的な賃金水準は低く、高いITスキルを持ち、そして自らもスマートフォンユーザーであるこの国のエンジニアは、今後ビジネス・マーケティング上必ず必要となるスマートフォンアプリを安く作るうえで、欠かせない戦力となります。
第二に、スマートフォンアプリのサービス展開先として考えられます。すでに1億2200万回線のユーザーがいる中で、ゲームアプリ、通話系アプリ、メッセンジャーアプリ等は今後さらに流行ってくるサービスとなります。
第三に、コンテンツ販売の展開先として考えられます。1億2200万回線ユーザーがおり、彼らは大きな娯楽が少なく、暇つぶしに様々なビデオ・映像を見ています。このセグメント向けに日本の様々なコンテンツをCM付きで流すことで、日本製品の販売のためのプロモーション手段として使う事ができます。他にも様々な使い方ができると思われます。
現地での開発人材としての利用、現地向けのサービス展開の両面から考えられるバングラデシュの携帯電話マーケット、ぜひ一度ご検討ください。
バングラビジネスパートナーズおよび現地最大の日本語学校および現地最大の人材採用支援業を運営するダフォディルジャパン社は、日本企業のバングラデシュ展開を全面的にサポートさせていただいております。